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Africa Health ExCon 2025 開催まとめ
公開日時:
2025/9/11 23:30
2025年6月、エジプト・カイロで開催されたアフリカ最大級の医療展示会「Africa Health ExCon 2025」には、医療・ヘルスケア分野の最新技術や製品が世界中から集結しました。中でも、日本企業の出展が大きな注目を集め、現地の課題に即したソリューション提案が高く評価されました。本記事では、アフリカ市場進出を目指す企業向けに、展示会の概要と日本企業の取り組みを詳しく紹介します。
2025年6月25日から27日まで、エジプトのカイロにてアフリカ最大級のヘルスケア展示会兼カンファレンス「Africa Health ExCon 2025」が開催されました。この展示会は、アフリカ各国の医療関係者や政策決定者、世界中の医療関連企業が一堂に会する重要なプラットフォームです。今回は特にアフリカ連合傘下のアフリカ疾病予防管理センター(Africa CDC)との共催体制で開催され、アフリカ全土からの注目を集めました。
本記事では、この展示会の概要とともに、ジャパンパビリオンに出展した日本企業の事業内容とその市場展開について詳しく紹介します。これからアフリカ市場に参入を検討している医療・ヘルスケア関連企業にとって、現地の実態やビジネスチャンスを理解するための貴重な情報となるでしょう。

開催日程:2025年6月25日(水)~27日(金)
開催場所:エジプト、カイロ Egypt International Exhibition Center (EIEC)
参加者数:500社を超えるグローバル・現地企業、約6万人の来場者(医療従事者や政策関係者を含む)
主催:エジプト統一調達機関(UPA)、アフリカ疾病予防管理センター(Africa CDC)
目的:医療技術の普及促進、製造・技術移転の推進、国際協力体制の強化、治療水準の向上、地域間連携の促進
本展示会は、アフリカ連合(AU)傘下のアフリカ疾病予防管理センター(Africa CDC)と、エジプトの統一調達機関(UPA)が共同主催し、医療機器、デジタルヘルス、製薬、研究開発、遠隔医療、医療物流、人材育成関連など多岐にわたる分野がカバーされました。アフリカの医療・ヘルスケア産業の成長と域内貿易活性化を図る、重要なプラットフォームです。
開会式にはエジプトのハリッド・アブデル・ガファル副首相兼人材開発・保健・人口相、UPA長官、医薬品庁長官ら政府高官が出席し、盛大にスタートを切りました。これにより政府の展示会への支援強化と、外資企業を含む業界の今後のアフリカ市場参入・生産拠点化に向けた期待が高まりました。
参加国数:110カ国超
出展企業数:500社以上(医療機器メーカー、製薬会社、IT企業、研究機関など)
来場者数:約60,000人(政策担当者、病院関係者、流通業者、投資家など)
会場面積:約60,000平方メートル(東京ドーム1.3個分)
会場では、医療機器の最新技術展示、デジタルヘルスの活用例、製薬・サプライチェーン、感染症対策ソリューション、遠隔医療、AI診断技術など、幅広いジャンルのプレゼンテーションが繰り広げられ、アフリカ各国の医療課題解決に資する先端技術が紹介されました。

エジプト国政府主導パビリオン
エジプトは「医療ツーリズム」「医療AI」「スマート病院」をテーマに、デジタル技術と医療連携を強調。米国・欧州IT企業も提携し、多分野間のイノベーション創出を目指しています。
欧州パビリオン(ドイツ、フランス、英国)
医療ロボティクス、次世代診断システム、クラウド型病院運営ソフトなど、地域特有の課題に対応した先端技術を展示し、特に現地生産・パートナーシップ構築にも注力。
米国パビリオン
AI診断や遠隔手術支援システム、ビッグデータ解析といったデジタルヘルス技術が中心で、アフリカ病院とのトライアル導入事例も多く報告されました。
アフリカ各国スタートアップ・イノベーションゾーン
特にナイジェリア、ケニア、南アフリカのヘルスケアスタートアップが参加し、遠隔診療、AIトリアージ、感染症流行監視システムなど現地発の課題解決ソリューションを展示。来場者から高い関心を集めました。
ジャパンパビリオンは、日本の最先端医療技術や製品をアフリカ市場に広く紹介し、エジプトを拠点にアフリカ全域への市場拡大を狙った戦略的プラットフォームです。ジェトロが中心となり、政府機関や医療機器・製薬各社等が連携しました。
エジプトおよび周辺諸国からの医療バイヤー・政策決定者との商談を促進し、技術移転や現地生産モデルの推進も視野に事業展開を加速しています。
富士フイルム
富士フイルムは、デジタルX線撮影システムやポータブル超音波診断装置の展示を中心に、アフリカの停電・通信インフラが不安定な環境でも稼働可能な省電力・耐久性重視の医療画像診断機器を提案しました。加えて、AI画像認識を活用した診断支援機能にも注力し、現地医師の診断効率化を狙っています。
シスメックス
血液検査機器や自動分析システムを展示。現地医療機関の検査レベル向上のため、多機能コンパクト機器及び検査情報管理システム(LIS)を紹介。検体搬送・検査データ共有の効率化を図り、アフリカの複数国での医療格差是正へ寄与することを目指しています。
武田薬品工業
希少疾患薬やがん治療薬、新薬のアフリカへの導入・普及促進に注力。現地の衛生・慢性疾患対策に貢献すべく、ジェネリック薬品の展開や医薬品供給チェーンの強化も図っています。
アステラス製薬、大塚製薬
主に感染症対策薬、慢性疾患薬の現地販売強化。さらに、健康食品や機能性飲料もエジプト市場向けにローカライズを行い、生活習慣病対策など包括的な健康ソリューションを提供しています。
HealtheeOne(ヘルシーワン)
遠隔診療・在宅医療支援ソリューションを展開しており、モバイル端末を活用したアフリカ全域への医療アクセス改善を図っています。診療予約、問診、服薬指導まで統合。独自開発の多言語対応プラットフォームは多文化地域で高く評価されています。
ゴムノイナキ株式会社
100年以上の歴史を持つ企業で、女性用衛生製品や月経管理プロダクトを提供。アフリカの女性の健康課題に寄り添う製品展開や教育活動をジャパンパビリオンで紹介しました。
株式会社商船三井ロジスティクス(MOL Logistics Co., Ltd.)
医療用品・薬剤の安定供給を支える物流網や、モバイル決済(M-PESA)と連動したスマート配送サービスを新提案。感染症流行下でも機能する安全なサプライチェーン構築に向けた技術紹介が注目を集めました。

日本企業ブースは製品デモやリアルな操作体験ができる構成で、現地医師やバイヤーのニーズに直接応えるスタイルを採用しました。特に遠隔診療プラットフォームのデモでは、通信環境が制限される地域でもスムーズな診療を実現できる点が高評価。
また、ジェトロ企画の商談会ではエジプトを中心に、ナイジェリアやケニアを含む多国からの参加者との質の高いビジネスマッチングが多数成立しました。
UPA長官ヒシャーム・スティート氏は、日本企業がエジプトで血液バッグ製造や医療機器現地生産を開始した事例を称賛し、「日本の高品質技術がアフリカの医療水準向上に資すると期待している」とコメントしました。
保健省やAfrica CDCも技術移転・人材育成等の観点からジャパンパビリオンの貢献を高く評価し、今後もさらなる連携拡大を望む声が多数あがっています。

アフリカは急速な人口増加と都市化、慢性疾患・感染症の複合課題を抱えつつも、高度医療機器やデジタルヘルスのニーズが増大しています。Africa Health ExConはその最前線で最新トレンドを体感し、政策決定者・病院経営者や現地パートナーとの対話が可能な貴重な場です。
日本企業にとっては、
高品質かつ現地環境に適合した医療機器の提供
人材育成・運用支援による長期的な信頼構築
現地生産・物流パートナーとの協業によるコスト競争力の確保
デジタルヘルス・遠隔医療といった次世代技術の積極導入
を組み合わせることが、成功のカギとなります。
Africa Health ExCon 2025はアフリカヘルスケア市場拡大の波を後押しする一大イベントとして、アフリカ最大級の規模と内容で開催されました。
ジャパンパビリオンは日本の医療技術・サービスの優位性を強く打ち出し、今後のアフリカ各国への事業展開の起点となる重要な役割を果たしました。
アフリカ進出を検討されるヘルスケア系企業にとって、本展示会参加は、産業動向の理解、具体的なビジネスパートナー発掘、現地ニーズ把握に絶好の機会です。今後も注視し続ける価値があります!
AA Health Dynamics株式会社は、アフリカ市場における進出支援・事業伴走・現地連携構築の専門家集団です。 日立製作所のような大手の戦略を中小企業向けにカスタマイズし、実行可能なビジネスモデルの設計・検証・現地実装を一貫してご支援します。
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※本記事は以下資料・ニュースを基に構成しています。
1)ジェトロ「アフリカ最大級のヘルスケア展示会レポート」2025年7月
2)Africa Health ExCon公式レポート2022-2025
3)各出展企業プレスリリースなど
https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/07/96534e5b657327d8.html
https://www.sis.gov.eg/Story/209209/The-4th-edition-of-Africa-Health-ExCon-2025?lang=e
https://news.jorudan.co.jp/docs/news/detail.cgi?newsid=PT000022A000128537
https://africabizco.com/abc-participates-in-africa-health-excon-2025-in-cairo-egypt-2/
https://www.latestlogos.com/biznews/2024/05/a1ee1d45375946a0.html
この記事を書いたライター
原健太
東京農業大学大学院修士課程を卒業後、同大学にて助手として勤務。2014年にJICA青年海外協力隊として野菜を通じたヘルスプロモーションを行うため、サモア独立国に赴任。帰国後、立命館大学にて大学リサーチアドミニストレーター(URA)として、センターオブイノベーション(COI)ポストアワード業務、知的財産管理、新規事業開発、プロジェクトマネジメントに従事したのち、予防医療マーケティングを行う株式会社キャンサースキャンの子会社である株式会社AfricaScanのゼネラルマネージャーとしてケニア・東アフリカの医療課題解決や健康増進の事業に従事。2022年、AA Health Dynamics株式会社を設立。その後株式会社キャンサースキャンより事業譲渡を受け、代表取締役として現地の医療教育、医療クリニック、医療ファイナンスのサービスを提供する。
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