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アフリカヘルスケア市場に進出する丸紅株式会社の挑戦!Phillips Pharmaと資本提携も!
公開日時:
2025/2/27 23:30
丸紅株式会社は、日本を代表する総合商社の一つであり、世界各地で事業を展開しています。アフリカ市場も例外ではなく、エネルギー、インフラ、資源、農業など多様な分野で関与しています。本稿では、丸紅とアフリカの関係について、その歴史、現在の事業展開、今後の展望について詳しく分析します。
丸紅のアフリカ市場参入は、1970年代から約40年以上も前に始まっています。当初は貿易を中心とした事業展開が主でしたが、その後、各国の経済発展とともに投資やインフラ開発など多角的な事業を展開するようになりました。

1970年代、丸紅はアフリカ市場における資源開発とエネルギー事業に関心を持ち、石油や鉱物資源の取引を開始しました。
特にナイジェリアやアンゴラなどの産油国との取引が活発になり、エネルギー分野への足掛かりを築きました。
1980年代には、アフリカの農業セクターへの関与を強化しました。エチオピアやスーダンでは、農業機械の供給を通じて生産性向上を支援し、穀物やコーヒーの貿易も拡大しました。
また、食品加工や流通の分野でも事業を展開し、現地市場との連携を深めました。
1990年代に入ると、アフリカ各国の都市化と経済成長が進み、インフラや電力事業への需要が高まりました。
丸紅は、ケニアやタンザニアでの送電網整備プロジェクトや、ナイジェリアでの都市交通インフラの構築に参画しました。
また、発電所の建設や電力供給事業にも投資し、持続可能なエネルギー供給に貢献しました。
2000年代以降、デジタル化の進展に伴い、丸紅はアフリカにおけるICT(情報通信技術)分野への投資を拡大しました。
特にモバイル金融サービスや通信インフラの整備に力を入れ、現地のデジタル化を支援しています。
また、南アフリカやモロッコでは太陽光・風力発電プロジェクトを推進し、再生可能エネルギー分野での事業展開を進めています。
このように、丸紅は時代の変化とともにアフリカ市場での事業領域を拡大し続け、持続可能な成長に貢献してきました。
※参照URL:Marubeni’s Business Profile in Africa
※参照URL:Marubeni to pull out of S.African coal-fired power plant project | Reuters
※参照URL:https://www.marubeni.com/jp/ir/reports/integratedreport/pdf/2024jpall.pdf?utmsource=chatgpt.com
丸紅は、アフリカのヘルスケア分野において、医薬品の販売、医療機器の提供、医療インフラの整備など、多岐にわたる事業を展開しています。

丸紅は、アフリカにおける医薬品の安定供給に貢献するため、現地の医薬品販売会社と連携し、医薬品の販売・流通ネットワークを構築しています。
2024年1月には、アフリカでの医薬品や医療機器の販売、物流、アフターサービスなどを展開するフィリップス・ヘルスケア・コーポレーション(フィリップス・ファーマ、ケニア)と資本提携契約を締結したと発表しました。
さらに、2025年1月には、アフリカにおいて医薬品を中心に医療機器や診断機器の薬事申請、販売・マーケティング、物流・関連アフターサービスを提供するPhillips Healthcare Corporation(Phillips Pharma)と資本提携に関する契約を締結しました。
※参照URL:アフリカにおける大手医薬品販売会社への出資参画について
※参照URL:丸紅、アフリカの医薬品大手と資本提携 | LOGISTICS TODAY
丸紅は、アフリカにおける医療インフラの整備にも注力しており、病院や診療所の建設、医療機器の提供などを通じて、医療サービスの向上に貢献しています。
特に以下の国は丸紅と連携し、さまざまな医療インフラプロジェクトを達成し、将来的にも注目されています。
エジプト: 主要都市における病院建設プロジェクトに参画し、最新の医療設備を提供。
ケニア: 遠隔医療システムを導入し、農村部の医療アクセス向上を支援。
ナイジェリア: 公共病院向けに医療機器の供給を行い、医療体制の強化を支援。
南アフリカ: 民間病院と提携し、医療サービスの向上を目指すプロジェクトを推進。
また、丸紅は、アフリカのヘルスケア分野におけるイノベーションを促進するため、ヘルスケア関連ファンドへの出資も行っています。2022年2月には、アフリカのヘルスケア領域を中心とするファンドへの参画も発表しました。
※参照URL:AAIC Investmentが組成、運営を行うAfrica Innovation & Healthcare Fund(AHF2号)に丸紅株式会社が参画
※参照URL:AAICインベストメント アフリカへの医療スタートアップ投資で存在感

アフリカでは、人口増加や経済成長に伴い、医療ニーズが急速に高まっていますが、その一方で、医療インフラの整備や医療従事者の育成が遅れており、多くの人々が適切な医療サービスを受けられない状況にあります。
丸紅は、これらの課題解決に貢献するため、アフリカのヘルスケア事業を積極的に推進しています。そのため、今後はアフリカにおけるヘルスケア事業をさらに拡大し、より多くの人々が質の高い医療サービスを受けられるよう事業提携や投資を拡大していくと述べています。
また、デジタル技術を活用した新たな医療サービスの開発や、予防医療の推進など、新たな分野への取り組みも検討されています。
※参照URL:AAIC、Africa Innovation & Healthcare Fund2号としてエジプトのヘルステックYodawyに出資!
※参照URL:アフリカのヘルスケア領域を中心とするファンドへの参画について
丸紅は、ヘルスケアだけでなく、アフリカ地域においてエネルギーと資源の分野で幅広い事業を展開しており、近年ではLNG(液化天然ガス)やFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)プロジェクト、再生可能エネルギーの推進、鉱物資源の取引と開発などが盛んに展開されています。ここでは、実際に丸紅はどのようなことをアフリカで行っているのかをご紹介していきます。

モザンビークは天然ガスの豊富な埋蔵量を誇り、丸紅はこの地域でのLNGプロジェクトに積極的に関与しており、このプロジェクトには、年間1,310万トンのLNGを生産できる液化プラントが含まれています。
特に、モザンビーク北部のロブマ盆地におけるLNG開発は、アフリカのエネルギー供給の拠点となる可能性を秘めていると言われています。
また、丸紅は日本の企業ですので、日本が天然資源を輸入に頼っている現状を踏まえ、LNG(液化天然ガス)の生産・輸出インフラの整備にも携わり、日本や他のアジア市場への供給の強化に尽力しています。
※参照URL:Mozambique – it’s a gas, gas, gas? - TXF
※参照URL:Energy Division | Marubeni Corporation

丸紅は、アフリカの資源開発において重要な役割を担うFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)事業に参画しています。
FPSO事業とは、海洋に浮かぶ船の上で、石油やガスの生産、貯蔵、そして積み出しまでを行う事業のことです。
従来の海洋石油・ガス開発では、海底からパイプラインを陸上まで敷設する必要がありましたが、FPSOは、パイプラインの敷設が不要なため、深海や遠隔地の油田・ガス田でも開発が可能です。
具体的には、ガーナ沖でのFPSO傭船事業に参画しており、アフリカのエネルギー安定供給に貢献しています。丸紅は、ガーナ沖のT.E.N.油田向けFPSO傭船事業に、三井海洋開発、三井物産、商船三井と共に出資参画しています。
このプロジェクトは、ガーナのエネルギー資源開発を促進し、同国の経済発展に貢献することを目的としています。
近年、西アフリカ沖合では新規の大規模油田が次々に発見されており、新規FPSOの需要が期待されていることを踏まえ、アフリカにおけるFPSO事業の拡大を目指しています。
※参照URL:ガーナ沖T.E.N.油田向け大水深対応FPSO傭船事業への三井物産、丸紅及び商船三井の参画、及び融資契約の締結について

南アフリカ共和国というと、サブサハラ地域より南の地域では非常に重要な国であり、インフラも法制度も整っている国です。
すでにインフラや法制度が整備され、大きな市場と生産基盤を持つ南アフリカは、この地域全体のゲートウェイとしての役割を果たすことが期待され、現在でも商社を含め200社近い日本企業が拠点を構えています。
上記のような理由から、南アフリカ政府が再生可能エネルギーの導入を推進しており、丸紅は太陽光発電や風力発電プロジェクトを展開しています。
具体的には、南アフリカの独立発電事業者(IPP※1)プログラムに参加し、環境負荷の少ないクリーンエネルギーの供給を目指しています。
これにより、地域の電力安定供給に貢献しつつ、CO2排出削減にも寄与しています。
※1:南アフリカのIPP(Independent Power Producer)プログラムとは、政府が民間企業による発電事業を促進するために設けた制度であり、主に再生可能エネルギーの導入を目的としています。
この目的は、南アフリカの電力供給を安定させるため、民間の発電事業者(IPP)による電力供給を促進することです。そのため、南アフリカ政府は、IPPと長期の電力購入契約(PPA)を締結し、安定した収益を獲得できます。
また、風力発電、太陽光発電、バイオマス、地熱エネルギーなどの再生可能エネルギーが中心となり、丸紅は南アフリカにおけるIPPプログラムの一環として、再生可能エネルギープロジェクトに投資しています。
※参照URL:Vol. 31 - South Africa Sub-Saharan Report
※参照URL:Sub-Saharan Africa - Special Study Edition
※参照URL:Sub-Saharan Africa Automobile Business Sub-Saharan Report [Business Plus]
アフリカは、電池や電子機器に不可欠な鉱物資源の豊富な地域であり、丸紅は銅、リチウム、コバルトなどの重要鉱物の取引と開発を行っています。
コンゴ民主共和国(DRC)やザンビアでは、鉱山の開発や精錬施設の建設に関与し、世界的なEV(電気自動車)市場の成長を支えています。
例えば、コンゴはコバルトの世界最大の生産地であり、丸紅は現地の鉱山開発プロジェクトに関与し、サプライチェーンの構築を進めています。
一方、ザンビアでは、銅の主要な産出国であり、丸紅は精錬施設や鉱山インフラの整備を支援しており、リチウム鉱床が豊富なジンバブエでは、リチウム採掘事業への投資を進め、将来的なバッテリー市場の成長に対応するようにしています。
※参照URL:Spotlight on Resource Rich Africa as Advance of EVs Gains Momentum - Zambia’s Copper Ore Trade Sub-Saharan Report [Business Pl
※参照URL:Vol. 9: Zambia Sub-Saharan Report.
※参照URL:https://www.marubeni.com/en/research/report/subsaharan_report/data/16-Zimbabwe.pdf

2000年代以降、デジタル化の進展に伴い、丸紅はアフリカにおけるICT(情報通信技術)分野への投資を拡大しました。特にモバイル金融サービスや通信インフラの整備に力を入れ、現地のデジタル化を支援しています。
例えば、ヘルスケア分野では、遠隔医療システムの導入、デジタルヘルスプラットフォームの構築、AIを活用した医療診断の支援などを行っています。
エネルギー分野においては、スマートグリッドの導入、再生可能エネルギーの遠隔監視システムなどをデジタル化し、人件費や時間の効率化を図っています。
さらに、農業分野では、精密農業システムの導入、農産物のトレーサビリティシステムなどもデジタル化され、アフリカ諸国の人々の生活向上に一役かっています。
このように、丸紅は時代の変化とともにアフリカ市場での事業領域を拡大し続け、持続可能な成長に貢献しています。
※参照URL:AAIC Investmentが組成、運営を行うAfrica Innovation & Healthcare Fund(AHF2号)に丸紅株式会社が参画
丸紅株式会社は、日本を代表する総合商社の一つとして、アフリカ市場において多角的な事業を展開しています。その歴史は長く、1970年代の資源・エネルギー分野への進出を皮切りに、農業、食料、インフラ、医療、デジタル化などの分野で事業を拡大してきました。
資源・エネルギー分野では、LNG開発やFPSO事業など、アフリカの経済発展に不可欠なプロジェクトに参画しています。また、発電所建設や再生可能エネルギー事業を通じて、電力インフラの整備にも貢献しています。
特に、ケニアやナイジェリアでの電力・交通インフラの整備、南アフリカやモロッコでの再生可能エネルギー事業、エジプトやケニアでの医療インフラ開発が注目されています。
また、医療インフラの整備にも力を入れており、医薬品の販売・流通、医療機器の提供、病院建設などを通じて、アフリカの人々の健康な生活を支援しています。近年では、デジタル技術を活用した遠隔医療システムやデジタルヘルスプラットフォームの構築など、新たな取り組みも積極的に進めています。
また、2000年以降はデジタル化支援にも積極的で、モバイル決済、スマートシティ構想、5G通信ネットワークの構築などを推進しています。それ以外にも、スタートアップ企業との連携を通じて、革新的なデジタルサービスの創出にも取り組んでいます。
この記事に関するお問い合わせや、アフリカビジネスに関するご相談は、Email [info@aa-healthdynamics.com]までお気軽にどうぞ!
この記事を書いたライター
増田さなえ
米国ピッツバーグ州立大学卒業後、セントマシュー医科大学とウィンザー医科大学に進み医学博士取得、救急医師として、米国やカリブ海の医療に従事する。2014年に出産のため休職し、ウェブライターを始める。2014年からカリブ海の救急医として2019年まで働く。2020年からは米国に戻りウェブライター専門で活動中。
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