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シュークルキューブジャポン 太陽光発電とマンゴー輸出で拓くアフリカ共創社会!
公開日時:
2025/7/17 23:30
アフリカには今なお膨大な数の「電気も通信も届かぬ村」が存在する―その社会課題に正面から挑み、地域経済にイノベーションと希望をもたらしている日本発のスタートアップが「株式会社シュークルキューブジャポン」です。セネガルを起点に、電気・デジタル・金融・食といった分野横断型の共創インフラモデルを次々と実証。「TUMIQUI Project」では現地の医療や教育、農業課題を解決しつつ、現地産マンゴーの国際輸出による持続可能なバリューチェーンづくりでも画期的な実績を挙げています。本稿では最新のマンゴー輸出事業にもフォーカスし、その全貌と影響を総合的に紹介します。
株式会社シュークルキューブジャポン(SUCRECUBE Japon Inc.)は2018年創業のソーシャルテック・スタートアップ。「デジタルインフラで命と未来を支える」をミッションに、アフリカ・欧州を軸に社会的課題の解決型ビジネスを展開しています。
代表取締役:佐藤弘一
本社:東京都千代田区
拠点:フランス・セネガル
事業:国際ICT事業、TUMIQUI(ツミキ)事業、国際ビジネス支援
官民や業界の垣根を越えた多様なパートナーシップが大変豊かな企業です。日本の総務省・経済産業省、関西電力、商船三井、ダイキン工業、セイコーエプソン、大日本印刷、JICAなどの公的・民間セクターと連携し、現地法人TUMIQUI Japon SASUをセネガルに設立済み。教育・保健・産業行政と密接な官民連携を築いています。
【参考URL】

プロジェクトのアウトライン
核になるのは「TUMIQUI Project(ツミキ・プロジェクト)」です。仏語圏西アフリカの農村部や無電化地域に、太陽光発電+バッテリー+無線通信+デジタル機器をパッケージで実装。これにより医療・教育・農業・金融などの複数課題を同時解決する、「ラストワンマイル型の共創社会インフラ」を現場に届けてきました。
◎主なサービス群
TUMIQUI Smart Kit … ポータブルソーラー・LED・Wi-Fi・USB/AC電源(例:診療所や学校)
TUMIQUI Digital Kit … 固定設置型ソーラー&イントラネット/村丸ごとデジタル化
TUMIQUI Power Digital Solutions … 冷蔵インフラ、加工設備、KIOSK、キャッシュレス等の多層融合
マンゴー輸出バリューチェーン構築 … 農産物流通+冷蔵+加工+輸出スキーム
◎事業特徴
医療・教育・農業・金融(横断的な社会変革)
ICT+再エネ+地元人材育成+現地修理の「持続可能性」
官民学連携、多国籍協業のオープン・イノベーション
【参考URL】
3-1. 誕生のきっかけ
2018年、同社が参加したJICA主催のアフリカ現地視察にて、セネガル農村診療所で“真っ暗闇での出産”と直面したことがきっかけと言われています。「光が命を守るプラットフォーム」を現地と共に創る志が生まれました。
3-2. 具体化とパートナーシップの深化
2019年、セネガル保健省とMOU締結。実証導入を診療所10カ所で開始。
2020年、現地子会社TUMIQUI Japon SASU設立。
2021年、第5回ジャパンSDGsアワード「特別賞」受賞(SDGsローカライズモデル認定)。
3-3. 発展・拡張(2023~)
関西電力との提携で地方学校への教育用キット導入。
商船三井やダイキンなど大手4社と組み、冷蔵・加工・物流・ICT・印刷まで一体化した新型の地域産業モデルを開発。
2025年からはセネガルの農業・食・金融分野へとプロジェクトを多角化し、マンゴー輸出事業も始動。
【参考URL】

株式会社シュークルキューブジャポンの最大の差異化ポイントは、単なるインフラ導入でもビジネス拡大でもなく、「現地に根付き、本気で共創する」という点に尽きます。
4-1. 共創型の社会インフラモデル
現地パートナーと「二人三脚」方式
支援型ではなく“共創型”。現地政府(保健・教育・産業省など)や村長、地元若者団体、女性グループまでを巻き込む協働設計。
言語・文化への対応力
フランス語(+現地語)に完全対応。現地ICTエンジニア・技術学校卒業生もコアメンバーに登用。
4-2. ローカル完結・持続可能な運営体制
現地アトリエ設立
現地組立・修理・教育をセネガル人技術者自身が担当。
女性・若年層を中心に雇用創出
現場での人材育成を通じてエンジニア、加工工場ワーカー、営業担当等の職域を着実に拡張。
4-3. 多分野横断の先進モデル
「電気+通信+食+金融」がワンストップで揃う
診療所も学校もKIOSKも、TUMIQUIキット設置ひとつで発電・通信・照明・給電・ネット・デジタル教材・医療データ化、さらには食品加工・冷蔵・キャッシュレスまで一体化。
大手企業連携×外資知見+現地起業家精神
商船三井(物流)、ダイキン工業(冷蔵)、セイコーエプソン(端末・情報管理)、大日本印刷(ラベル・資材)など、日本の技術と現地ニーズを融合させている。
4-4. 官民連携によるスケールアウト
すでにセネガル以外の周辺国(ガンビア、ギニア、コートジボワール)からも問い合わせ・提携希望が届く先駆的な地域モデルへ。
【参考URL】

5-1. 医療分野での成果
導入診療所数:セネガル各地10拠点
夜間出産・診療件数:導入370日間で1,200件超
地域人口のカバー:1つの診療所につき約5,000〜2万人、累計で8万人超が恩恵
業務効率化:遠隔地病院への移動・紙カル現場登録・デジタル報告が可能に
5-2. 教育分野での成果
導入校数:20校以上(サンジャラ市を中心に展開)
夜間学習・eラーニング実現:2,500名以上の児童が恩恵
地方と都市の教育格差解消
教室でのデジタル教材利用、遠隔授業も実現
5-3. 農業・物流・金融インパクト
2025年から冷蔵倉庫・加工/流通インフラ実証
太陽光発電冷蔵庫導入によりマンゴー、カシューナッツ、トマトなどの鮮度維持が可能
収穫後損失削減:マンゴーでは40%超削減見込み
新規雇用創出:女性と若年層100名以上
金融包摂拡大:KIOSK普及で農村部にもキャッシュレス決済が波及
【参考URL】

6-1. 取り組みの背景
セネガルは、実は欧州市場向け高品質マンゴーの産地のひとつ。ところが現地の生鮮物流・コールドチェーン・加工・マーケティングが未成熟で、年間30〜40万トン規模の収穫後損失(フードロス)が課題でした。またマンゴーは期間雇用の主な就業先でもあり、収穫ロス=大きな経済損失となっていました。
6-2. シュークルキューブジャポンのアプローチ
現地太陽光冷蔵倉庫と加工設備設置
収穫即冷蔵・仕分け、さらにピューレやプリンなどへの加工まで現地で実施
日系大手との連携輸送(コールドチェーン)
商船三井のリーファーコンテナ(冷蔵・低温輸送)、ダイキンの冷凍技術、セイコーエプソンの端末管理、印刷・パッケージ技術もフル活用
デジタル+金融+農家還元
受け渡し・集荷・出荷・代金精算を地元農家や女性グループのスマホで一括管理
収益の一部が現地経済や児童教育事業の資金原資にも還元される循環設計
6-3. 事業の進捗と社会的インパクト
2025年6月:2拠点で本格実証開始
冷蔵インフラ導入→フレッシュマンゴーを日本・欧州向けに輸出
一部は現地でピューレ、プリンに加工しパッケージも「Made with Japan」のデザインで輸出
フードロス削減と現地所得向上
農村の女性や若者の新規雇用創出
販売収益の一部が現地社会インフラ(教育・ICT・保健)再投資に回る仕組み
国際ブランド化と農家連携拡大
2025年8月、アフリカ開発会議(TICAD9)で国内発表後は、周辺国、欧州・日本都市圏への拡大目指す
6-4. 今後の展開
2026以降、他農産品(トマト・カシューナッツ等)や他国展開も構想
女性・若手の起業型マンゴー産業創出やデジタル金融による小規模農家支援も拡大
【参考URL】
https://news.yahoo.co.jp/articles/8fae7060dc7851992af44d9c3b8526c33583bcc3
https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/external-pr/entry/26668.html
株式会社シュークルキューブジャポンは、「未電化・未通信地域こそイノベーションのフロンティア」という信念のもと、共創・現地完結・多分野融合でアフリカ発の新しい経済循環・社会課題解決モデルを打ち立てています。医療・教育・エネルギー・ICTだけでなく、食・金融・輸出産業までも現地で一貫して育て、現地の若者や女性が主役となる経済・雇用を現実のものとしています。
特に「マンゴー輸出」モデルは、ただの農産物流通ではなく、多国間パートナーシップ・デジタル金融・女性支援・再投資型エコシステムまでを含むトータル・イノベーション。アフリカの“課題”を“可能性”に変え、日本企業の国際イメージアップとSDGsゴール達成にも寄与しています。
今後もセネガルのみならず、西アフリカ仏語圏や他新興国への水平展開、現地と日本をつなぐ双方向イノベーションの旗振り役として、その一手一手が注目され続けるでしょう。
【参考URL】

株式会社シュークルキューブジャポンとAA Health Dynamics(AAHD)による共催で、アフリカ開発会議(TICAD9)の公式サイドイベントが2025年8月に開催されます。
イベント名:日本発スタートアップが拓く 日ア共創型ビジネスの最前線 〜大企業と共に創るアフリカ新市場〜
日時:2025年8月22日(金)13:30〜14:15
会場:パシフィコ横浜「TICAD Business Expo & Conference」内
主催:AA Health Dynamics株式会社(AAHD)
協力:株式会社シュークルキューブジャポン
このイベントでは、現地マンゴー輸出プロジェクトも含めた最先端事例や、西アフリカ現地と日本企業が融合する真の共創イノベーションモデルを発表予定です。
【参考URL】
この記事を書いたライター
原健太
東京農業大学大学院修士課程を卒業後、同大学にて助手として勤務。2014年にJICA青年海外協力隊として野菜を通じたヘルスプロモーションを行うため、サモア独立国に赴任。帰国後、立命館大学にて大学リサーチアドミニストレーター(URA)として、センターオブイノベーション(COI)ポストアワード業務、知的財産管理、新規事業開発、プロジェクトマネジメントに従事したのち、予防医療マーケティングを行う株式会社キャンサースキャンの子会社である株式会社AfricaScanのゼネラルマネージャーとしてケニア・東アフリカの医療課題解決や健康増進の事業に従事。2022年、AA Health Dynamics株式会社を設立。その後株式会社キャンサースキャンより事業譲渡を受け、代表取締役として現地の医療教育、医療クリニック、医療ファイナンスのサービスを提供する。
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