
日本発の医療スタートアップOUI Inc.は、「世界の失明を50%減らす」という壮大なビジョンのもと、スマートフォンを活用した革新的な眼科医療機器「Smart Eye Camera(SEC)」を開発。アフリカ各国で現地医療機関や国際機関と連携し、遠隔診断やAI診断、医療従事者育成など多面的な社会実装を進めています。SECは都市部と地方をつなぎ、専門医不足やインフラ課題を乗り越えて、アフリカの視覚障害・失明予防に新たな光をもたらしています。OUI Inc.の挑戦は、日本企業のグローバル展開の新たなモデルとなっています。
OUI Inc.(ウイインク)は、2016年に慶應義塾大学医学部の現役眼科医らが設立した日本発の大学発ベンチャーです。医学・工学・ビジネスなど多様な分野のプロフェッショナルが集結し、「世界の失明を50%減らす」という壮大なビジョンを掲げて活動しています。
本社は東京都新宿区。社員数は11~50名規模で、医療機器開発・グローバル事業・AI開発・現地展開・国際連携など幅広い事業を展開しています。
グローバル展開
引用リンク:OUI Inc.公式サイト(英語)
引用リンク:会社概要(英語)
引用リンク:会社紹介(日本語)
OUI Inc.はアフリカ各国で「Smart Eye Camera(SEC)」を核とした眼科医療のアクセシビリティ向上に注力しています。
アフリカは世界の失明人口の多くを占め、特にサハラ以南アフリカでは眼科医療へのアクセス不足が深刻です。アフリカにおける失明の主な原因は、治療可能でありながら医療アクセスの不足から放置されがちな白内障が最も多く、全体の約半数を占めています。加えて、トラコーマやオンコセルカ症(河川盲目症)といった感染症、緑内障も大きな割合を占めています。未矯正の屈折異常や糖尿病網膜症、角膜混濁なども失明の一因ですが、特に白内障や感染症の影響が深刻で、社会的・経済的な課題と密接に結びついています。
そこで、OUI Inc.は現地医療機関・NGO・国際機関と連携し、SECを活用した診断・遠隔医療・人材育成・疫学研究など多面的な取り組みを展開しています。

OUI Inc.はアフリカ各地で、現地の医療機関や大学と連携しながらSmart Eye Camera(SEC)を活用した眼科医療アクセスの拡大に取り組んでいます。
このようにOUI Inc.は、各国の医療現場や大学、NGOと密接に協働し、SECの現地適応・普及、医療従事者の育成、知財保護、眼鏡寄贈など多面的なアプローチでアフリカの視覚医療の課題解決に挑んでいます。
OUI Inc.は、2024年時点でアフリカを含む世界20カ国以上にSmart Eye Camera(SEC)を導入し、150台超の機器を現地医療機関やNGOに供給しています。このグローバル展開は、アジア・アフリカ・南米など医療過疎地域を中心に進められており、SECによる眼科診断や遠隔診療モデルの社会実装が急速に広がっています1108。
ケニアでは、2021年にSECが医療機器として正式登録されて以降、20台以上の機器がKisii Eye HospitalやGertrude's Children's Hospitalなど複数の主要病院やクリニックに導入されました。これらの医療機関は都市部から地方部まで幅広く分布し、SECを活用した遠隔診断や患者紹介のネットワークが構築されています263。特にKisii Eye Hospitalは年間1万件以上の白内障手術を手掛ける国内有数の施設で、SECによる診断とスクリーニングを組み合わせることで、都市部と地方部の医療格差を埋める役割を果たしています249。
現地医療従事者やボランティアへのトレーニングは、オンラインや現地ワークショップを通じて積極的に実施されており、累計で100名以上がSECの操作や基礎的な眼科診断技術を習得しています。トレーニングは約1時間で修了し、非眼科医でも診断や撮影が可能となるため、限られた専門医の負担軽減や現地人材のスキルアップに大きく寄与しています294。
こうした取り組みにより、ケニアを中心に年間1万件以上の眼科診断・スクリーニングがSECを通じて実施されており、多くの患者が早期診断・治療につながる体制が整備されました。特に白内障や緑内障、感染症などによる失明リスクの高い患者が、都市部の専門医と連携して適切な治療へとつながる事例が増加しています4610。
社会への変化としては、まず「医療アクセスの格差」が大きく縮小しました。SECの導入により、電気や大型機器が使えない農村や医療過疎地域でも、スマートフォンとSECさえあれば眼科診断が可能となり、専門医がいない地域でも初期診断やスクリーニングが実施できるようになりました128。また、現地医療従事者の育成や雇用創出にもつながり、地域医療の質と能力の底上げが進んでいます2410。
さらに、遠隔診断モデルによって都市部の専門医が地方の患者を効率的にサポートできるようになり、重症例の早期発見・治療導入が促進されました。これにより、予防可能・治療可能な疾患による失明のリスクが大きく低減し、患者のQOL(生活の質)向上や社会参加の拡大にも貢献しています842。
こうした成果は、WHO(世界保健機関)の「Compendium of innovative health technologies for low-resource settings 2024」にも掲載されるなど、国際的にも高い評価を受けています5。OUI Inc.の取り組みは、単なる機器の供給にとどまらず、現地医療従事者の育成・エビデンス構築・遠隔診断体制の確立・国際連携を通じて、アフリカの視覚医療の未来を大きく変えつつあります。
引用リンク:日本眼科学会誌「世界の失明はどうなっているのか」PDF
引用リンク:サークル帝塚山眼科・世界の地域別の失明原因
引用リンク:OUI Inc. Newsletter June 2024(PDF)
引用リンク:アフリカ展開の進捗(PR TIMES)
引用リンク:SECのケニア登録・現地連携(afri-quest)
ケニアはOUI Inc.のアフリカ事業の中核拠点です。2021年、SECがケニア保健省の医療機器登録を取得し、現地での本格展開が始まりました。

引用リンク:TechEmerge Health East Africa(IFC公式)
引用リンク:ケニアでの医療機器登録(afri-quest)
引用リンク:AMED支援・現地実装(AMED PDF)
引用リンク:首相官邸(PDF)
OUI Inc.は現地の主要医療機関・NGO・大学・行政と戦略的パートナーシップを結び、SECの社会実装を加速しています。

具体的な協業内容
実績・数値
引用リンク:商標・特許取得の発表(PR TIMES)
引用リンク:OUI Inc. Newsletter June 2024(PDF)
SECはスマートフォンのカメラ・光源を活用し、前眼部・後眼部の観察が可能なポータブルスリットランプ顕微鏡です。
OUI Inc.はAIによる画像診断アルゴリズム開発を進めており、白内障や網膜疾患の自動診断・重症度判定など、専門医がいなくても診断可能な仕組みを目指しています。
科学的エビデンス・臨床性能
遠隔診断・AI化の進展
引用リンク:SEC製品紹介(英語)
引用リンク:JSTサイエンスジャーナル
引用リンク:AMED支援・AI開発(PDF)
OUI Inc.のアフリカ事業は、国際金融公社(IFC)、AMED(日本医療研究開発機構)、JICA(国際協力機構)などの支援を受けて展開されています。

主要な連携・支援内容
具体的な成果
引用リンク:TechEmerge Health East Africa(IFC公式)
引用リンク:AMED支援(PDF)
引用リンク:日本政府のアフリカ医療協力(首相官邸PDF)
OUI Inc.は、2025年までに「世界の失明を50%減らす」という目標に向け、アフリカをはじめとする医療過疎地でのSEC普及・AI診断の実装・現地生産体制の検討などを進めています。
今後の具体的戦略
課題と対応
引用リンク:OUI Inc. Newsletter June 2024(PDF)
引用リンク:JSTサイエンスジャーナル
引用リンク:OUI Inc.公式ビジョン
逆輸入の可能性は?
SEC(Smart Eye Camera)は、OUI Inc.の現役眼科専門医が日本と開発途上国の両方で感じた課題を解決するために自ら発案・開発した医療機器であり、日本国内でも既に医療機器として登録・特許取得が進んでいます1345。SECはスマートフォンに装着するだけで、従来の細隙灯顕微鏡と同等の診断が可能で、専用アプリによる画像管理や遠隔診療も実現しています15。
実際に、SECは日本国内で医療機器(クラスI)としてPMDA(医薬品医療機器総合機構)等に登録されており、保険診療下での活用や遠隔診療への応用も可能な体制が整っています3。また、動物用医療機器としても正式に登録され、獣医療分野でも活用が始まっています4。
アフリカなど海外での実証・普及を通じて、SECの有用性やユーザビリティ、低コスト・高可搬性といった強みが評価されており、今後は日本国内の在宅医療・高齢者施設・離島・へき地医療、さらには災害時の応急診療や学校健診など、これまで眼科専門機器が届かなかった現場での“逆輸入的”な普及が期待されています135。
このように、SECはもともと日本の医師が日本の現場課題も見据えて開発したものであり、アフリカ等での社会実装を経て、今後さらに日本国内の眼科診療現場や遠隔医療、一次医療の現場に逆輸入されていく可能性は非常に高いといえます1345。
引用リンク:OUI Inc.公式SEC紹介
引用リンク:AMED公開資料(PDF)
引用リンク:PR TIMES(動物用医療機器登録)
引用リンク:トークンエクスプレス連携ニュース
OUI Inc.は「現場発イノベーション」と「多層的な国際連携」を武器に、アフリカの眼科医療アクセス格差解消に挑んでいます。SECを核とした遠隔診断・AI診断・人材育成・疫学研究など、単なる機器提供にとどまらない社会実装モデルを構築。今後もアフリカの医療課題解決と持続可能な市場創出の両立を目指し、日本発の医療イノベーションの可能性を世界に示し続けます。
引用リンク:OUI Inc.公式サイト(英語)
引用リンク:AMED支援・現地実装(PDF)
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