
アフリカ大陸には54の国と地域があり、2054年には22億人まで人口が増加すると予想されています。「最後のフロンティア」として今後ビジネスを展開するうえでも、特に注目を集めている地域です。
一方で、医療格差に関する課題は多く残っており、一刻も早い改善が求められ続けています。日本という恵まれた国に生まれた人間として、ビジネスを通してアフリカをサポートしたいと考える方もいるでしょう。
今回は、アフリカの医療格差と改善策について解説します。最後まで読めば、アフリカの医療格差に関する疑問点を解消できるでしょう。
世界銀行とWHOの発表によると、基本的な医療サービスを受けられない人の割合は、全世界で約半数に達することがわかっています。アフリカの中でも、サブ・サハラ地域は世界でも最も貧しい地域となっているのが現状です。サブ・サハラ地域の特徴は以下のとおりです。
今後急激な人口増加や経済発展などが見込まれている一方で、医療を始めとする社会インフラの面は整備が追いついていません。先進国や団体などによる援助が継続的に実施されているものの、抜本的な解決には至っていないのが現状です。
アフリカの諸国で医療施設を拡充できなかったり、医療従事者を育成できなかったりする主な要因として、国の資金力があげられます。先進国からのサポートを受けながらでも、大きく稼げるビジネスモデルの構築が求められるでしょう。
出典:「世界人口見通し2024」国際連合
出典:「世界銀行とWHO:世界の人口の半数が基礎的保健医療サービスを利用できず、1億人が医療費が原因で極度の貧困状態に」THE WORLD BANK

アフリカで医療格差が発生している原因として、以下のものがあげられます。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
アフリカの医療格差が起こった原因として、人口当たりの病院・医師の割合が小さすぎる点があげられます。特に農村部に住んでいる住民の場合、付近に病院がない傾向にあります。
WHOの発表によると、アフリカにある「マラウイ」の場合、医師の割合は約6万3,000人に一人です。日本では約400人に一人の割合で医師がいることから、約150倍以上の差があります。
医療機関や医師の数などが少なくなると、その分治療を受けられる機会が限られるでしょう。「治療を受けたくてもそもそも病院がない」環境にあることが、アフリカの医療格差につながってきたといえます。
出典:ユニセフ
アフリカで医療格差が広がってきた背景には、医療機関で適切な治療を提供できてこなかった点があげられます。
先進諸国の場合、最新の機器を使った治療が可能となるものの、アフリカには医療設備が十分に備わっていないためです。治療の難しい症状の場合、諦めざるを得ないケースが発生してきたことでしょう。
日本では医師への研修や講習会などが行われており、知識やスキルなどを向上し続けられる環境にあるといえます。情報を入手するための機会が限られると、医師は効果的な治療を提供しにくくなります。

生活するために精一杯で、病気を治療するためのお金を使いにくいことが、アフリカで医療格差が発生した原因の一つです。
アフリカは貧困率が高い傾向にあることから、ギリギリの生活を強いられている方が多くなるためです。
日本のような社会保険のシステムがない場合は全額自己負担となり、家計に与える影響は計り知れません。深刻な症状となるまでは自宅での療養を迫られ、治療を受ける段階ではすでに手遅れとなる傾向にあります。
収入が少なく、病気の治療にお金を使えないことが原因で、アフリカでの医療格差は広がってきました。
男性優位な社会構造となっており、女性や子どもなどは下に見られてきたことが原因で、アフリカでは医療格差が発生しています。ユニセフの発表によると、サハラ以南のアフリカにおいて、病気になっても治療を受けられない子どもは過半数を占めることがわかっています。
5歳未満の子ども500万人以上が毎年世界でなくなっており、その中でも約8割を占めるのがアフリカです。先進国に比べると、アフリカを始めとする途上国の妊婦の死亡率は約14倍以上で、16人に一人がなくなっています。
妊娠・出産・産後と、病院で適切な処置を受けられないことが原因で、比較的多くの妊婦がなくなっています。アフリカを始めとする途上国において、妊娠前からの病気によってなくなるケースは増えるのが特徴です。
出典:ユニセフ
病気の予防方法や対策など、正しい教育を受けられない傾向にあることから、アフリカでは医療格差が起こっています。地域によっては昔ながらの風習や信仰などが根強く残っており、現代では医学的な根拠のない治療をしているケースもあるためです。
アフリカで約17%に該当する国では就学率が6割を切っており、十分な教育を受けられていません。家庭の経済状況や学校の不足などが原因で教育を受けられないと、誤っている情報に気づけないでしょう。
地域によっては、野菜が描かれてある炭酸飲料を「野菜」だと認識している子どももいるなど、正しい教育を受ける機会を増やすことが望ましいです。

食事や住まいなど、劣悪な環境で生活している住民が多いことから、アフリカでの医療格差は起こってきました。川や井戸を利用するなど、アフリカでは衛生的ではない水を飲まざるを得ない状況にあるためです。
日本人にとっては考えられないかも知れませんが、動物の糞尿や泥などが混じっている茶色の水を飲んでいるケースもあります。特に抵抗力の少ない子どもにとっては、汚染されている水を飲むことで、下痢症などの深刻な病気を発症する傾向にあります。劣悪な生活環境で生活することで、コレラや赤痢、A型肝炎などの感染症を発症しやすいのも特徴です。

アフリカの医療格差を改善するには、以下の方法を採るのが理想的です。
それぞれについて、ここから詳しく解説します。
アフリカの医療格差をなくすには、生活環境の改善が求められます。近年では、安全な飲料水を飲んだり、衛生的なトイレを利用できるようになったりしつつあるものの、十分な設備が整っていないためです。
以下の通り、基本的な生活環境で生活できていない方が多くいるためです。
衛生的な生活環境を確保することで、以下の通り健康面のみでなく経済の発展にも効果が期待されます。
アフリカにおいて、経済が望ましくない状況にある国家に頼るよりも、草の根レベルで地道な活動を継続する方が効率的かも知れません。
年齢によって異なるものの、人体は約50%から80%が水によって構成されています。病気を防ぐうえでは、特に衛生的な水の確保が重要です。
出典:「第9回世界水フォーラムアフリカの水と衛生分野の進捗に警鐘4億人以上が安全な飲料水を利用できず」ユニセフ
アフリカの医療格差を是正する方法として、食習慣の改善があげられます。
天候不良や紛争などの影響によって食物不足となり、栄養失調などの病気になったり死亡したりするケースがあるためです。
水と同様に、食べ物によって人間の体は作られます。成長期にある子どもにとっては特に十分な栄養素が必要で、食べ物からの影響を受けやすいのが特徴です。栄養失調になると、以下の通りさまざまな症状が起こります。
食習慣を改善するためには、先進国からの食料やお金などの提供が一つの方法です。短期的な支援となることから、アフリカの諸国が食料を自給できるようになることが理想的です。
紛争や自然災害などが起こりやすかったり、資金が限られていたりすることが原因で、食物の生産が困難なケースもあります。アフリカの食糧問題を抜本的に解決するには、先進国による自給自足のサポートが必要になるでしょう。食物の栽培方法の指導や土地の整備など、長期的な視点にたった支援が求められます。

病院などの医療施設を設置することが、アフリカの医療格差の改善につながるでしょう。移動による費用が原因で、地方に住んでいる人にとっては、病院に通うハードルが高くなっているためです。食料の提供や衛生環境の整備などのほか、医療施設を設置することもアフリカ支援として効果的です。
病気の治療を目的とするものはもちろんのこと、医師や看護師を教育したり育成したりする施設も求められています。医師や看護師の数が増えると、その分より多くの患者さんに対して、適切な対応やアドバイスなどを実施できるでしょう。医療施設を増やすことで、予防接種を始めとする予防医療への対応も期待できます。
ビジネスとしても、今後発展が期待される分野の一つです。
アフリカの医療格差の原因や改善策などについて解説してきました。
「資金がないから医療を受けられず、生活環境も改善できない。生活環境を改善できないため病気や死亡者が増える。」と、アフリカでは悪循環が起こっています。
全世界人口の8分の1を占めることから、今の状況を簡単に変えることは困難かも知れません。
状況を好転させるには、永続的な先進国・団体などの支援が必要です。
アフリカの医療格差が改善すると、世界や日本の経済にもいい影響があるでしょう。
病気や貧困など、アフリカで起こっている辛いニュースを見る必要がなくなります。
アフリカの医療格差を改善するには、どんな小さなものでもアクションを起こすことが重要かも知れません。
ライター紹介
渡邉 謙
40代のWebライター。献血140回以上、災害ボランティア、地域のゴミ拾いなど、社会貢献活動に参加。インドのオールドデリーに旅行に行ったとき、貧困層の厳しい生活を目の当たりにする。日本を始めとする先進国のサポートにより、アフリカなど途上国の医療レベルは劇的に改善すると実感している。
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